
5月10日(日)、17日(日)に「 魚春五代目に学ぶ、魚づくしの食の会」を開催いたしました。
『魚春』5代目の光畑隆治さんによる瀬戸内を中心とした魚づくしのフルコースと、『slowcave』渡邉隆之さんのお料理に寄り添う素敵なワインで、2日間ともお客様とともに素敵な時間を過ごすことができました。
当日は、Fスタジオ内に光畑さんの調理カウンターと炭焼き場を準備。通常の着席型のお料理提供にとどまらず、お客様にはスタジオ内を自由に動いていただき、光畑さんの魚屋としての腕を間近でお楽しみいただきました。
【イベントお品書き】 ※「/」ありは、10日/17日で産地変更
・汁もの メバル(下津井産)/びん串(下津井産)
・前菜
春子(下津井産) 赤手エビ(小豆島産/牛窓産) 鳥貝(観音寺産/牛窓産)
ベイカ(胸上産) タコ(下津井産) サワラ真子(日生産)
・一品 ヒラ(日生産/牛窓産)
・一品 このしろ(笠岡産)
・刺身 ボラ(胸上産) サワラ(氷見産/日生産)
・蒸し物 コチ(下津井産)
・麺 コチ(下津井産)
・焼き物 マナガツオ(日生産/下津井産)
・揚げ物 ハモ(牛窓産)
・ご飯 ウナギ(愛知県産)





10皿におよぶ、多彩な魚料理の数々に驚きの声が上がる中、光畑さんの地の魚に対する深いまなざしと思いが伝わるエピソードが非常に楽しく、参加いただくことで瀬戸内の魚たちへの見え方も変わっていったのではと思います。
120年以上の歴史を刻む『魚春』。光畑さん自身、子どもの頃から明治生まれの曾祖母の手で、おいしい魚を食べて育ち、お医者さんもびっくりの骨密度が自慢。「料理の師匠はいない」そうで、魚屋として目利きと光畑家で学んだ調理技術が、光畑さんの確かな腕を支えています。
特に、光畑さんが力を入れておられるのが「未利用魚」とひとくくりにされてしまう地元の魚たち。昔は当たり前のように家庭で食べられていた魚が、時代の変化によって価値がないとされ、雑魚扱いされてしまっています。そのおいしさを、今回あらためて楽しいお話と調理でもって教えてくれました。
中でも、小骨が多く、食卓から遠ざけられているヒラは、ばら寿司文化のある岡山で愛されてきた魚。「ヒラを食べるのは岡山人だけ」という全国での認知から通称「岡山」とまで呼ばれていた、この地域になじみのある魚です。
光畑さんは、このヒラをザクザクと薄切り。(この音がとても気持ちいい音なんです!) それを、近年全国的に注目が集まっている香りのよい「岡山のり」で包み、塩とパクチーをトッピング。そのまま、のり巻きでいただきます。ヒラのさっぱりした旨みとフレッシュなのり、パクチーの香りでクセになる味わいです。


また、雑食性ゆえ臭みがあると思われがちなボラを、この日はなんと刺身で。光畑さん曰く「血抜き、神経締めした後すぐ内臓を出してしまえば、ほかの魚と変わらずおいしく食べれんですよ」。ボラは、岡山を代表する魚・サワラと一緒に提供。祖父の代に開拓した日本海側での仕入れルートによって、年中おいしいサワラが仕入れることができるそうです。醤油は使わず、魚の味わいだけで食べてもらうスタイルにも、魚屋としての自信が表れています。




さらにコチを使った料理2品に続き、炭火焼でマナガツオが提供。特別にFスタジオに炭火焼き場を設置して、魚の焼き上がりをお客様と一緒に楽しみました。黄ニラの薫香を生かした一品です。




今がおいしいハモは、調理カウンターで骨切り。皮を切らず、絶妙な力加減での包丁さばきに、スタッフもお客様と一緒に見惚れてしまいました。料理は「木屋町焼き」スタイルの「ハモカツ」で提供。



締めの鰻丼は、その場で炭火焼きでご提供。秘伝のたれは、ハモの骨を加えて炊くのが魚春流だそうです。土鍋で炊いたご飯にたっぷりたれをかけて、召し上がっていただきました。


また、イベントを通して、『slowcave』渡邉さんによるワインもお客様に喜ばれました。微発泡の一杯にはじまり、白ワインや赤ワイン、スペシャルなロゼワインなど、多彩な一杯をご提供いただきました。要所要所でのワインについてのお話も秀逸で「さっき飲んだ一本をお店で買いたい!」と『slowcave』ファンもこの日確実に増えた模様です。



約3時間にわたる魚づくしの会でしたが、あっという間のひとときでした。光畑さんの魚に対してのお話では、昔取れていた魚がいまでは取れなくなってしまったという危機感も感じさせます。岡山の魚食文化をつないでいくには、私たち自身が地域の魚により親しむことの大切さを改めて考えさせられました。
現在、『魚春』では、次世代の担い手づくりに向けたクラウドファンディングを実施中。ご興味ある方は、下記のリンクからご覧いただき、ぜひご協力をお願いいたします。
創業128年の魚屋 倉敷「魚春」ファンド
延べ2日間にわたり開催した「 魚春五代目に学ぶ、魚づくしの食の会」、ご参加いただいた皆様におかれましては、福武トレスで素敵な時間をご一緒いただき、ありがとうございました。また、『魚春』光畑さん、『slowcave』渡邊さんも食のプロとしてのご協力ありがとうございました。
当イベントはまた季節を変えて開催予定です。次回の開催も、ぜひお楽しみにお待ちください。



