秋を迎えたトレスの庭で、散策と、料理人二人によるスペシャルなコースランチを楽しむ会を開催。秋の味覚と景色を満喫しながら、20名の参加者に、思い思いのひとときを過ごしていただきました。
薄紅葉のトレスの庭で
残暑長引く夏に終止符を打ち、一気に秋めいてきたこの日。11時、澄み切った山の空気が満ちわたる庭園で、「一期一会」の特別な一日が始まりました。
Fギャラリーでウェルカムドリンク
Fギャラリーで、ウエルカムドリンクでお迎えの後、三々五々、庭園を散策。参加者の中には、福武トレスの噂を聞き及び、東京からおいでになった方も。「どこに迷い込んだのだろうという不思議な空間ですね。森のような、林のような。それでいて日本的な庭園もあって」
このトレスで、このスペシャルなお食事で
12時。開放感あふれるFスタジオに場所を移し、食事会がスタート。リラックスムードのなか、ゆったりと時を刻むように、スペシャルな6皿のコース料理が運ばれていきました。この日、トレスのためだけにコラボレートした料理人二人の創作料理は、山と海の秋の幸がふんだんに登場。それぞれの個性が見事に和して奏でるコースの一品一品に、驚きの声が漏れ聞こえてきました。
二人の料理人のコラボ・スペシャルコースランチ
前菜5品から始まる6皿のランチコース。
和食とイタリアン、二人の料理人のジャンルを超えた発想が、トレスらしい秋のこの日限りの物語を紡ぎました。
前菜5品:薩摩芋のスープ/柿とカルダモンのマリネ/自家製クレソンの豆腐/赤ナマコのマリネ/イクラとルーラルカプリのフロマージュブランのブルスケッタ <前3品:堤人美さん 後2品:木村浩幸さん>
「柿とカルダモンのマリネ」は「組み合わせが新鮮、驚きです!」と感嘆の声。初体験という声の多かった「赤ナマコのマリネ」は、瀬戸内産の高級赤ナマコを工夫を重ねてふくよかに。多彩な小鉢が華やかさを添えた。
美作産 鹿ロースのカツレツ <木村浩幸さん>
「冬を迎える前の鹿は、脂が少なく健康的なんです」と木村さん。鹿の骨からとったスープと自家製味噌のブレンドソースに「絶品!」と舌鼓を打つ。
白菜と焼きタラバ蟹のグラタン クミン風 <堤人美さん>
「蟹の繊細なほぐし身となじむように、塩漬けの白菜を細い千切りに。焼きタラバの香ばしさをベシャメルソースに移し、クミンとレモンで爽やかさを加えました」。複雑にして芳醇な香りにため息がもれる。
ククスビビムパ <堤人美さん>
「牛肉のスネ肉と紫キャベツのナムル、ライムと塩であえた麺、いろんなきのこを炒めナムルに。よく混ぜていただいた後、最後にスープをかけて」。二度おいしい、と笑顔の皆さん。
和牛タンのボッリート 松茸スープ仕立て <木村浩幸さん>
「お椀でメインができないかと考えて作りました。イタリア エミリア・ロマーニャ地方のおでんのような料理がベースですが、牛タンをボイルした後の出汁を使い、松茸、すだちと合わせ和風に」。柔らかくなった牛タンが口中でほどける。
デザート:無花果のジェラート/吉田牧場のラクレットチーズと栗のクレームブリュレ/黒豆ブルッティ・マブォーニ <木村浩幸さん>
木村さん真骨頂の3品。無花果を使いたいという堤さんの希望に応えたジェラートは、なめらかな口溶けのあとにフルーティーな香りが広がる。イタリアでは普通使わない黒豆のあたり豆を使ったブルッティ・マブォーニは、素朴ながら味わい深い。
スパークリングワイン「ブラン・ドゥ・ブラン」、白ワイン「ヤレ」、オレンジワイン「カタラット」、赤ワイン「ヴィーノロッソ・フレイザ」、冷酒「一白水成」、イタリア産瓶ビール「モレッティ」
お酒の種類もいろいろ。近年、注目の高まっているオレンジワインは、白葡萄を材料に赤ワインと同じ製法で造られたワイン。
季節の素材の魅力を引き出す二人の料理人
堤人美さんは、雑誌・書籍・テレビなど各方面のメディアで活躍中。季節感と素材の魅力をいかし、ごくシンプルな調味料と多彩な香りで魅せる評判の料理家です。木村浩幸さんは、人気のイタリアレストラン「ヴィア・パーチェ」(岡山市)のシェフ。漁師経験を経て、イタリアで料理修行を積みました。そのチャレンジ精神旺盛な料理は、力強い魅力に溢れています。個性の異なる二人ですが、呼吸はピタリ。ともに「それぞれの持ち味と季節のものを存分にいかして、楽しく料理を」という思いで、この日、このトレスのためだけのスペシャルを展開してくれました。
色づき始めたトレスの庭で、午後の散策を
福武トレスの「一期一会」
春夏秋冬、福武トレスという「時の庭」で、今日この日この時の特別な出会いを紡いでいきたい。そんな思いを込めて、様々な食事会や催しを企画していきます。